飲食店は正念場 - 景気ウォッチャー調査で読み解く個人消費の動向
内閣府が8日(火)、11月の景気ウォッチャー調査を公表しました。現状判断(季節調整値)は前月比▲8.9ポイントの45.6と大きく下がり、中間値の50を割り込みました。景気ウォッチャー調査はアンケート調査で、「景気が良い」と答えた人が「景気が悪い」と答えた人より多ければ50より大きく、逆であれば50より小さくなります。
緊急事態宣言が出ていた今春と比較したら水準は悪くないですが、下がり方が急なのが気になります。ちなみに景気ウォッチャー調査の調査期間は毎月25日から月末です。つまり、8日に発表されたものは11/25〜11/30に集計したものです。
この期間はちょうど新型コロナ感染者数が拡大し警戒感が高まりだした時期です。11月の中旬頃に調査をしていたらこれほど下がっていなかった可能性があります。それでは、足元の景況感はどうか。11月下旬よりもっと悪いはずです。
北海道は前月比▲23.9ポイント
北海道はひと足早く新型コロナの感染者数が増えていました。そして11月の景気ウォッチャー調査を地域別に見ると北海道がダントツに悪いです。
足元で新型コロナの感染者数が収まる兆しはまだ見えません。むしろ、重症者数が増え、医療機関に逼迫感が出ています。緊急事態宣言が出ないにしても、外出を控える人が多くなるでしょう。12月の景気ウォッチャー調査は、11月の北海道と同等の数字になるのではないでしょうか。
12月の景況感は最悪 飲食は地獄
景気ウォッチャー調査では、景気の先行きについてもアンケートをとっています。それが「先行きDI」なのですが、11月の先行きDIは36.5まで沈みました。北海道の現状と同様、40を下回っています。
さらに内訳を見ると「飲食関連」の数値が急降下し、22.1まで落ち込みました。これは緊急事態宣言が出ていたときと同じ水準です。
飲食店にとって12月は書き入れ時です。なのに人が来ない。私は月曜日にHUBで一人で飲んでいたのですが(ギネス大好き!)、19時台でテーブルは3分の1程度は空いていました。月曜日とはいえ12月ですから例年でしたらありえないですよね。
既に春に苦しい時期を経験しているので、もう一度この苦境を乗り越えるのは大変です。株価が上昇しているのとはうらはらに、足元の景気はかなり厳しそうです。
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