7-9月期の法人企業統計 - 製造業の惨状 苦境にいるのは観光業界だけじゃない
昨日、鬼滅の刃を見に映画館に行ってきました! 毎月1日は割引な上、12月1日は「映画の日」(TOHOシネマズだけ?)だったので、1,000円で見れちゃいました。内容の方はというと、ほとんど予備知識なしで行ったせいか、残虐+グロテスクなシーンが多くてびっくり。しかも、映画は残虐さをセーブしてるんじゃないかなという場面が見受けられたので、漫画のほうはもっと残虐なシーンがあるでしょうか。そのせいか、時折挟まれるコミカルなシーンには癒やされました。
財務省が1日発表した7-9月期の法人企業統計によると、全産業(金融・保険業除く)の売上高は前年比▲11.5%でした。製造業は▲13.2%、非製造業は▲10.8%です。全産業の減少は5四半期連続、製造業の減少は6四半期連続となります。景気悪いですね。
グラフを見ると、緊急事態宣言が出されていた時期と重なる前四半期(4-6月期)からは下げ幅を縮小しています。ただ、その前の水準までには届いていません。ていうか、消費増税を実施した2019年10月以降、下降線をたどっており、コロナと消費税のダブルパンチを食らった状況が今も続いている感じですね。
苦境は観光業界だけではない 製造業の悲惨な現状
同じマイナスでも営業利益のほうは下げ幅が強烈です。全産業が▲39.0%、製造業が▲41.7%、非製造業が▲38.0%でした。前四半期から下げ幅は改善していますが、製造業の全四半期は▲91.2%でしたから、この水準からだと下がるほうが難しいといった感じですね。
観光業界の苦境ばかりがクローズアップされているので理解が浸透されていないと思うのですが、製造業もかなり苦しいです。製造業にはトヨタ自動車などの自動車メーカーや、産業用ロボットや機械を扱うファナックや三菱重工業など、日本のエクセレントカンパニーがいるカテゴリーです。
緊急事態宣言で娯楽施設への人の動きがピタッた止まりましたが、工場の稼働も止まりました。それが前四半期の大きなマイナスにつながっているようです。さらに、製造業の多くは海外市場での売上も大きい。海外では日本と比較にならないほど新型コロナが猛威を奮っています。欧米市場への売上シェアが大きい企業の先行きは特に不安です。
下の表は自動車関連企業の純利益の推移です。2021年は予測になりますが、純利益が低い順に並べています。日産自動車は2年で1兆円以上が引き飛びます。
ここに記載されている企業は上場会社で資金調達力もあります。すぐに倒産するということはないでしょう。しかしこれらの企業から仕事をもらっている中小零細企業は、生きるか死ぬかのところまで来ているのではないかと想像します。
スーパーが好調 不動産業もなぜか好調
製造業と同じく、非製造業の業績も悪いのですが、非製造業の中の業種を見ると前年比プラスを記録している業種もあります。小売業と不動産業です。
小売業の売上が前年比プラスを記録したのは、10万円給付効果で消費が増え、外食をしない代わりに自炊が増えてスーパーマーケットでの売上が増えたためでしょう。特にスーパーマーケットの好調さは眼を見張るものがあります。下図はマックスバリュ関東、ヤオコー、成城石井の既存店売上動向で、左のメモリは前年比です。9月から以前の勢いが止まったように見えますが、7-9月期の3ヶ月で見れば好調と言っていい数字でしょう。
不動産業がなぜプラスなのかは分析しきれていないのですが、リーマンショックのときの惨状と比較すると少なくとも大きな痛手を追っていないということは言えます。これだけ企業業績が悪い中、株価は上がり続けていますから、資産市場にお金が流れ込んでいる恩恵を不動産業も受けているということでしょうか。
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